Pale Blue Eyesマンフレッド神父

リンガローンと口ずさんで、思い出す。

マンフレッド・フリードリッヒ神父の青い眼、金茶の髪、そしてくすみのないクリーム色の歯。

わたしが初めて見た外国人は、ドイツ人の若い神父だった。美しい白い邸宅の写真が教会の控え室に飾ってあって、それが故郷の家だというので、こんな寂れた北の果ての海辺の町に来てがっかりだろうと、その時、中学生は思った。

教会は、なんのことはない、その辺の家に十字架がついているだけの印象のない建物だったけど、ミサは違った。司祭の服装に驚き、銀のゴブレットとかえびせんべいみたいなパンとか、何もかもが別世界だった。はっきりいって、くらっときた。

なのにキリスト教にぐんぐん惹かれて行かなかったのは、(そのあと「沈黙」で大泣きする日も来たのに)やっぱりわたしは、蕗の下にも神さまはいると、山にも海にもいると、もうそんな考えになっていたのだなあと思う。

まあだけど、刷り込みっていうか、映画をたくさん見るようになって、どうしても好きになるのは金髪碧眼だったので、ある日きっとそれは、マンフレッド神父様のせいもあるんじゃないかな、と思うようになった。そして、初めて会った外国人がイケメンの神父でよかったーとも思った。

青い眼の俳優はたくさんいるけと、演技とか何とかじゃなく、一番好きだったのはケビン・ベーコンだ。特になんていうんだろう、B級映画に出てた頃、たとえば着替えもない恋愛もない、トレマーズのケビンベーコン。

女優さんも、LAコンフィデンシャルの、えーと、キム・ベイジンガーなんか、すごい好きだ。でも、ニコール・キッドマンはお人形さんみたいだから興味がない。

あれ、話がずれてきた。

マンフレッド神父は勉強家だった。日本語も勉強していて、置いてあるノートにびっしりと漢字の練習がしてあった。たとえば

愛愛愛愛愛愛愛愛愛  相相相相相相相相相

藍藍藍藍藍藍藍藍藍 挨挨挨挨挨挨挨挨挨

阨阨阨阨阨阨阨阨阨

みたいに。

それを見て、中学生は、これはあんまり役に立たないな、と思ったのだった。

 f:id:youcon:20180217220611j:imageフランシスコ会札幌修道院 - フランシスコ会札幌修道院から借用

若い時の写真が見つかるなんて奇跡!

 

マンフレッド神父様、ずっと海を愛してくれてありがとう。

f:id:youcon:20180221191939p:imageNADESHIKO:素敵な笑顔 - livedoor Blog(ブログ)から借用

眼の色は変わらない。