洞爺湖町月浦

いつのまにか、虻田町はなくなり、字(あざ)もなくなり、虻田郡虻田町字月浦は、虻田郡洞爺湖町月浦になっていた。ずるい。

それはともかく、ウィンザーホテルができた時、グーグルマップを使い始めた時、その度に思い出の月浦の採石場あたりはどうなっているのか調べてみたりした。だけど、子どもの記憶は確かなようであいまいなので、キャンプ場あたりかなーとしかわからかった。
ある日テレビで「しあわせのパン 」という映画の予告編が流れて、湖と「月浦」という文字が映り、あー月浦!と思ったのに、映画は観なかった。そして、アマゾンFire TV Stick を買った去年の夏、やっと、そういえばと映画を観たのだけれど。


大泉洋が必要か?
わたしは、映画の中で歌と踊りをちらっと見せとけば、そこそこオッケーなような、めんどくさくない人のはずだ。

食べ物が出てくる映画だって好きだ。料理する手元にうっとりし、できていく過程にときめき、食べたいし、作りたくて仕方なくなる。たとえばリストランテの夜 を観て、次の日リゾットをつくったぞ。ニンニクのみじん切りは粗めにね。

でも、この映画はパンって名前がついてるのに、パンもスープもコーヒーも、あんまり美味しそうじゃないし、なんか、温度を感じない。カフェどうして始めたんだよー。おしゃれやりたかっただけかよ。もっと流れるように手や体を動かしてよー。あ、人もそうか。体温低めに設定なんだな。こんなこじゃれた映画は苦手だ。

ということで、月浦からの景色がどんなに良くても、映画はあんまり興味なかった。

良かったのは清志郎&矢野顕子の歌。

それでも、やっぱ気になって、あそこは別荘のあったあたりかなー牧場かなーと思ってユキちゃんに伝えたら、さすがユキちゃんは車を飛ばして偵察に行ってくれていたのだった。

やっぱ、あのあたりだわ。

そりゃ月浦だからね。

ということで、月浦の景色を見せてくれたのは、ほんとうに嬉しかったのだけど。