本牧で死んだ子はカモメになったよ〜

今日、ひさびさに本牧方面を走った(チャリだけど)。本牧2丁目のバス停の手前で、赤いテントにGolden Cupの看板!そーだ、ここがゴールデンカップだったー!と一瞬のうちに通り過ぎたけど、その後。

頭の中で、流れる。ずっと流れ続ける。

 長い〜髪の〜しょおおじょ こどく〜な瞳 後ろすがたぁ悲しぃい〜恋の〜終わり〜 どぉぞぉー君だけ〜に こころを受け止めて〜辛いぃ恋だか〜ら 愛の物語〜  長い〜髪の〜しょおおじょ〜ららららららら

はーこれだ。歌詞はでたらめかもしれないけど、ゴールデンカップスの「長い髪の少女」だ。お店の名前からグループ名つけたんだ。しかし、まさか本牧をチャリで走る日が来るとはなー。小学生の自分に知らせてあげたい。ゴールデンカップス、あんまり興味なかったけど。

横浜関内が勤務先になって5年。本牧生まれ育ちの同僚が伝え聞いた昔の本牧を話していたけど、何せそこそこ若いから、ゴールデンカップもゴールデン…??そうそうカップ、て感じ。

 

本牧といえばあれだよね?

本牧で死んだ子はカモメになった〜よ

だよね。

と、言ったら、場がさーっと引いた。そーだよね、死んだなんて歌変だよね。あわてて同世代に振ったら、「知らない。わたし田舎生まれだから」と言われたけど、わたしがどんだけ田舎生まれだか知ってるのか、知らないだろうだ。

 

伊勢佐木町を通りすぎることもある。

あなた知ってる〜港横浜〜 街のあたりに〜潮風吹けば〜 花散る夜を惜しむよに

伊勢佐木あたりに灯りがともる〜

これも歌詞間違えてるかもしれないけど、頭に流れる。ゆずは伊勢佐木にいたらしいけど、流れない。

そのかわり磯子関係の電話がきて「岡村の◯◯ですが」と言われると、シャカシャカタンバリンで「夏色」

この長い長い下り坂を君を自転車の後ろに乗せて〜

となる。

ブルーライトヨコハマ」と「よこはまたそがれ」は、流れない。

なぜだろう?

わかった。だってアバウトに横浜で、特徴ないもんね。 

桜木町あたりだと、人混みの中で

いつでもさがしているよーどこかに君の姿を 明け方の街桜木町でー

そうだ、いつだって、大昔のご当地ソングは、もれなく頭に流れることになっている。

小学校の頃、ウチのHONDA1300クーペのカーステレオのカセットは本数が少なくて、しかも演歌とインストゥルメンタル。特に「峠の幌馬車」を代表とするインストゥルメンタルカセットは、ひどく退屈だった。

興味ない演歌の中で、北島三郎の「女シリーズ」だけは好きだった。函館から始まって鹿児島まで、流しっぱなしにすると、オムニバスのようだった。

だから、大人になって金沢に初めて行った時、「香林坊」の地名を見たとたん

君と出会った香林坊の 酒場に赤い灯がともる あーあーあぁ金沢は金沢はー

頭に流れた。そーかー金沢に来たんだーと思った。

さて、本牧で死んだ子はカモメになったよ、だ。

ぐぐる先生に尋ねたら、ちゃんと「本牧メルヘン」とわかった。阿久悠作詞井上忠夫作曲か〜井上忠夫ブルーコメッツのフルートだったよね〜。

本牧はもっと港町だと思っていた。洋風だとも思っていた。いや、海は遠くはないけど。何というか、米軍基地がなくなり、バスしか交通機関がない本牧は、駅から遠い、寂れたただの住宅街のようだ。

まるで昔ばかりを思い出す、自分のようだ。

でもないか。