葉山に空と江の島と富士山と伊豆半島を見に行く。

10月30日火曜日。午後から休みにしていたのを、昼ご飯を食べてから気づいた。

さて。

どうしよう。

桜木町で映画を観るか。プーさんが2時からかぁ。

でもこんなに晴れてあったかい日は今年最後かもしれない。

港の見える丘に行って、たぶん咲いてるバラの花を見る。

今それだべか?こないだその辺を通りながら、しかし戦後の日本の道路ってば、全く景観は無視だよなーって思った。

横浜港の上は道ばかり。あれが好きな人もいると思うけど、海じゃあないもの。

 

そうだ、海を見に行こう

 

1.鎌倉山のテラスで遠くに海を見る。意外に、遠くに見える海はいいものだ。好きだ。(ルミリュウだね)

2.小坪のロンハーマンのテラスで間近に海を見る。チャリで何とかいける。

3.葉山まで行く。チャヤで内海を見ながら夕方までまったりする。ケーキセットだべかねー。

4.葉山のもっと遠くまで行く。去年、イベント貸切で入れなかった海辺の店に、行く(CABANていうのか)

 

どうすべーどうすべーと、根岸線で往生際悪く悩みながら、終点大船が近づいてきてあせる。

鎌倉山からの海は、今でもなくても良いのでは?今日はもっと海感欲しい。

だけど小坪だと、港だし、クルーザーだのヨット見たいか?なんか違う。

そだ、やっぱ葉山だ。チャヤもいいけど、一階テラスだと、岸壁感ていうか、コンクリ感あるしなー。

葉山らしい葉山へ行こう。秋の、こんな日には、富士山が見えるかもしれない。葉山から江ノ島と富士山を見るんだ。あーなんていいんだろーCABANに行こう!

バスを降りて、あわび最中の永楽家の手前を海に進む。ここだったよ。

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はあぁぁぁ。来て良かった。

晴れてて、風が吹いてる。海がまぶしい。

CABANは、建物のようで屋外だ。

一番海ぎわには、カウンターの向こうに海が見えるスツールの高い椅子席、背もたれありのソファと背もたれなしのマットスペース。カウンターは空いてたけど、そこに座らず、ソファの後ろのマットスペースへ。

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味が確かな瓶ビールときっと怪しいワインと悩んでワインに。昼ごはん食べたのを悔やむ。

波打ちぎわは見えず、海の向こうに緑の江ノ島

真白き富士の根〜緑の江ノ島の歌を知ってる人は、今どれくらいいるのだろう、娘時代の母さんは、映画を観ていた。江ノ島に一緒に行った時、どんなにか富士山を楽しみにしていたか、どんより曇った参道で、富士山富士山とうわ言のように呟いていたことで、それが痛いほどわかった。

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何より、海の向こうに伊豆半島が長く連なり、山々の形がくっきりと浮かびあがって、その奥に薄くぼんやりした富士山を見つけてうれしかった。

こんな景色を見ると、わたしの中で視点はぎゅいーんと空の高くにあがり、グーグルアースみたいになる。そして日本地図になる。

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伊豆半島はおっきいねー。

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風がカーテンをパタパタやって、時々砂も吹いてくる。空がきれい。空が広い。

そして、そこでやっと、わたしは気づいたのだ。海を見たかった理由を。

広い海を見に行くというのは、広い空を見に行くことなのだ。

ふるさとの北の国の空は広く、青かった。晴れた冬の日の雪原なんかに立つと、地球は丸くて平らで、空は大きな球体ドームなのが、間違いないと思った。

せいせいする。空が広いとせいせいする。贅沢なおまけで、小さくて豊かな緑の江ノ島と、伊豆の山影と、富士山の美しいシルエットがついてきた。

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海に沈む太陽を待たずに、暗くならないうちにバスに乗った。

日本海に沈む夕陽は山ほど見たもんな、と、負け惜しみを心の中でつぶやいて。